人や社会の役に立つ無機材料の創製を目指して
当研究室では、化学の手法を駆使して、人や社会に何がしかの役に立つことができるような機能を持った、無機固体材料(セラミックス)を創り出すことを目指しています。
私たちは第一に、生体の組織を再生できるような材料(生体材料)を日々新たに開発しようとしています。
これまで、歯科インプラントの前に歯槽骨を再建する材料、骨を再生する布、骨再生物質を徐放する骨補填材など、さまざまな材料を開発し、発表してきました。
第二には、ナノサイズからミクロンサイズにわたって、セラミックスの構造を制御し、高い機能を持つセラミックスを作り出すことを目指しています。これは無機化学的手法に立脚しています。これまでは、層状の二酸化マンガン薄膜(世界トップクラスの充放電特性)、中空二酸化チタン粒子、高速応答性電子カーテン材料など、従来にない高機能化を実現してきました。
第三には、セラミックスの基礎的手法である粉末プロセスを工夫して、これまで「不可能」とされてきた焼結体を作ることです。例えば、米沢市に豊富に存在する天然ゼオライトの焼結体(これまで作った人はいない)や、日本が唯一自給自足できる鉱物資源の点三カルシウムの焼結体(これも、作った人がいない)を作ることができ就様になりました。これらの焼結体は、さらに新しい生体材料や環境保全材料としての用途に用いられていきます。
工学は、人や社会のために役立つことを目指した学問。どうぞごゆっくり中をご覧ください。